

育毛とは、抜けにくい髪を生やし、成長を促すことである。また、抜け毛を減らすことも含まれる。
特に、中高年齢層の男性が試みることが多い。その理由は、男性ホルモンの分泌によって、脱毛が促進されるためである。
健全な髪は、適正な成長サイクルに則って発毛し、成長する。古くなった毛髪が抜け落ち、再び生え変わるまでの成長サイクルを、ヘアサイクルと呼ぶ。ヘアサイクルは、およそ七年程度の周期を取る。
男性ホルモンの分泌過剰によって、このヘアサイクルが崩壊し、脱毛が促進されることがある。これによって促進される脱毛症のことを、男性型脱毛症(AGA)と呼ぶ。
育毛の多くは、男性型脱毛症の分泌を受けて皮脂を生成する、ジヒドロテストステロン(DHT)の働きを阻害することを目的とする。
また、髪の成長を司る毛母細胞や毛乳頭細胞に、栄養を供給することも併せて行う。栄養の供給は、直接頭皮に塗布するものと、血行の促進によって栄養補給を促すものがある。
育毛に効果的な栄養素には、特に亜鉛が挙げられる。亜鉛は必須ミネラルの一種で、レバーなど内臓系に多く含まれる。手軽な摂取法としては、マルチミネラルのサプリメントがある。
効果的な育毛には、健全な食生活と充分な運動や睡眠、育毛剤の使用などが推奨される。
髪質は健康のバロメータとも呼ばれ、栄養不足や睡眠不足の影響を如実に表す。健康的な生活を送り、有効な育毛剤などを継続的に使用することが重要である。
発毛とは、毛穴から毛髪が発生することである。ヘアサイクルのうち、もっとも初期の段階を指す。
発毛が行われるためには、事前に脱毛が行われる必要がある。毛穴の数は有限で、増えることはないためである。
健全なヘアサイクルに従えば、脱毛はおよそ七年周期で起こる。脱毛が行われた後、数週間で再び毛髪が生え始める。
発毛は毛穴から起こるため、毛穴が何らかの要因で塞がっている場合、健全な発毛は行われない。毛穴を塞ぐ要因として、埃や汚れ、DHTが生成する皮脂が挙げられる。
DHTは男性ホルモンの分泌量に影響を受けるため、ホルモンバランスが崩れる中高年齢層の男性に発毛阻害が多く見られる。育毛と同様、DHTの働きを阻害することを目的として、発毛を促す必要がある。
脱毛と発毛はセットで考えなければならず、脱毛のサイクルが早まることで、発毛が追いつかなくなる。
そのため、発毛を意識する場合には、脱毛のサイクルを正常に戻すことを取り組まなければならない。
脱毛のサイクルを正常に戻すためには、髪の成長期間を充分に保つことが重要である。このことは育毛と共通するため、多くの場合、発毛と育毛はセットで行われる。
増毛とは、髪を増やすことである。発毛を促して天然毛を増やす方法に限らず、人工毛の移植なども含まれる。
人工毛の移植は、いわゆる「かつら」の装着とは異なる。かつらは人工毛を移植した、帽子状の物を頭部に被る装飾品のことであり、脱着が可能である。しかし、人工毛の移植は、頭皮に直接人工毛を植え付ける。このため、脱着することは不可能であり、不意に外れる心配がない。どうしても膨らんで見えるかつらよりも、仕上がりも自然である場合が多い。
また、移植の場合、人工毛ではなく自前の毛を移し替える場合もある。これを自毛移植と言う。その場合、比較的脱毛が進行しづらい、後頭部の毛を頭頂部や前頭部生え際に移植することが多い。DHTによる脱毛症は、頭頂部や前頭部に影響が集中し、後頭部は影響を受けにくいのである。
自毛移植の場合、人工毛よりもさらに仕上がりが自然で、目立たない。髪質や髪色も共有するため、見た目にはまったくわからない。また、人工毛の移植には免疫の拒絶反応が起こる場合があるが、自毛の場合は起こらない。
しかし、自毛を移植する場合は、髪の絶対量を増やすのではなく場所を移すだけである。そのため、厳密には増毛とは言えない。また、人工毛移植よりも、施術費用が高額である。